蓮 中川広志シェフインタビュー
botanovaを使用したプラントベースのメニュー開発をしてくださった、「蓮」中川広志シェフにbotanovaを使った感想や、今後のプラントベース市場についてインタビューしました。
1.シェフのご紹介
蓮 中川広志シェフ
帝国ホテルやrestaurantT3などで研さんを積み、フレンチ料理を学んだ後、Seriesにて中国料理を学び蓮のシェフに就任。随所にフレンチのエッセンスを加えた、全く新しい26品の少量多品目のコースを提供。
2.botanovaを使用された感想をお聞かせください。
botanova 植物のおいしさ バター風味
甘やかなバターの香りがしっかりとしており、主に製菓用として活躍すると感じました。生地への練り込みもとても扱いやすく焼成後もしっかりと香りが残っていました。バターポーチといって65℃程度に温めた中でオマールエビを火入れしてみましたが、料理との相性もよく幅広く使えると思います。
botanova 植物のおいしさ ラード風味
ローストした豚の脂の香ばしさがしっかりと現れています。4種類の中で中華料理には一番汎用(はんよう)性が高い製品だと感じました。熱にも強くそのまま野菜炒めとして使ってもとてもおいしかったですが、ラー油やネギ油など高温下にて香りを抽出させることにも向いており、派生させて使うことによりさまざまなオイルに変化させられてとても便利だと感じました。
botanova 植物のおいしさ 牛脂風味
「植物のおいしさ ラード風味」よりもさらに強いロースト感があり、和牛の牛すじを200℃のオーブンでカリッカリにローストした時の焼き立ての香りをほうふつとさせる素晴らしい香ばしさが特徴。生地の練り込みもスムーズにポマード状になるので扱いやすく、香りもしっかり残ります。ネギラードなどで仕込む蒸しパンに置き換えて使用しましたが、牛脂の香りと蒸しパンの生地のもっちり感が相まって、圧倒的にクオリティーがあがりました。そのままレストランでメニュー化できると思いました。
botanova 植物のおいしさ 鶏油風味
4種類の中で唯一、常温下で流動状という点が魅力的でした。香りは一番繊細に感じ、特にハイエンド帯のレストランでは違う食材の香りを付与させて使用することで、活躍の場が広がると感じました。また、冷やしても固形になりづらいことから冷製料理にも使用しやすく、今回は冷製ソースにしましたがとても滑らかな仕上がりになりました。さまざまなバリエーションも試してみたいと思いました。
botanova製品全体を通しての感想
私は植物性油脂について全くの無知でありまして、これからの時代を考慮すると植物由来という点は素晴らしいととても共感できる半面、料理人の立場としては、本当においしくて安全的なのか?と少し懐疑的になっていました。しかし、実際にさまざまなパターンで使用してみて、決して環境のためだけではなく、素晴らしく優れた商品だと考えが改まりました。ただヘルシーで持続可能なだけではなく、加熱媒体としても香りの要素としても非常に使い勝手がよかったです。また、製品についていろいろとお話を伺うなかで、料理人目線でとても信頼できる商品だと感じました。
3.プラントベースの料理は今後、お客さまにどのように受け入れられていくとお考えでしょうか。
カフェやレストランでも、ヴィーガンメニューを表記しているお店がずいぶん増えてきたと感じています。しかし頂く代金が高くなればなるほどその普及率は低いと思います。その背景にはやはり高級食材を使わなければ価値を感じていただけない、料理人の認知が薄いという点があると思います。もし私が自身のお店で使用するとすれば【健康】や【持続可能性】という点だけで薦めるのではなく、高級食材とも組み合わせ、優れた特性や新しい発見を感じていただけるようなプレゼンテーションの仕方で提供すると思います。お客さまはおいしいお料理と空間を楽しみにいらっしゃるので、その中で新しい発見という要素があるこちらの商品は魅せ方次第でとても可能性があると思っていますので、導入にも興味があります。
4.プラントベースのメニューを作るにあたり、どのような課題があると感じていらっしゃいますか。
まずは【ボリューム感】だと思います。このボリューム感とはサイズや量の問題ではなく、うま味や香り、深みなど全体的なバランスの部分で、どうしても軽い仕上がりになりがちかと思います。今回、私はニンニク、ネギ、唐辛子などさまざまな野菜やスパイスを使用してその課題に向き合いました。また、メインになりうる大豆ミートの大豆感=大豆の香りは、個人的には違和感を覚えてしまう最たる理由だと思います。今回はゆでこぼし、メイラード反応、他お野菜との掛け合わせで試行錯誤しました。
蓮
26品の少量多皿中華コースのお店です。
中国料理のうま味深き「強さ」に、フランス料理の緻密な「繊細さ」を随所に織り交ぜ、現代の中国料理に昇華させたお料理を提供しています。また、「蓮」の「連」という字には連なるという意味を持ち、少量多品目のお料理とペアリングをはじめとするお飲み物の連なり、お店とお客さまの連なりをテーマとしたレストランです。
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