これからの介護食
③みんなと食べるニーズの実態&開発のヒント

介護に携わる方々の声から真のニーズをとらえ、具体的な解決策を探る連載企画。これまでの記事で、介護食では3つのニーズ「おいしさニーズ」「エンジョイニーズ」「みんなと食べるニーズ」があるとお伝えしてきました。連載最終回ではみんなと食べるニーズについて、ミヨシ油脂が実施したアンケート結果をもとに詳しく解説。さらに、新たな介護食レシピをご提案します。

目次

同じ内容の食事をみんなで一緒に食べたい=「みんなで食べるニーズ」

要介助・介護者の食事を手作りしていると答えた848名に「手作りしてよかったと感じること」を聞いたところ、約44%が「介助・介護が必要な方が同居家族と同じ内容の食事をとれる」を選びました。

介護食に関するアンケート

また、要介助、介護者の食事に市販総菜を購入し活用していると答えた885名に「市販総菜を提供する上で工夫していること」を聞いたところ、約24%が「できるだけほかの同居家族と同じメニューにする」を選びました。

介護食に関するアンケート

ほかの設問でも「ほかの同居家族と同じ内容の食事をとることに対して価値を感じている」と捉えられる選択肢を1つ以上選んだ回答者は約60%におよぶ結果に。要介助・介護者が同居家族と同じ食事を食べることへのニーズの多さが伺えました。

家族や親しい人々と食事をとる幸せ

嚥下(えんげ)食フレンチ「スラージュ」を提供しているMaison HANZOYAの加藤英二シェフも「家族や親しい人々と料理を食べて味の感想を共有し、共感するところまで含めて“食のおいしさ=幸せ”だ」と指摘します。同氏が目指すのは、健常食と介護食の境目がなくなること。日々、介護される人と介護する人が一緒に食べられる料理を作り、体験を共有できる時間を提供しています。

一緒に楽しめる料理なら調理の手間も省ける

介護する側と介護される側、どちらも同じ内容の食事であれば調理の手間を省けるのも現実的なメリット。実際、要介助・介護者の食事を手作りしていると答えた848名に「手作りする上でのお悩み」を聞いたところ、約35%が「調理に手間や時間がかかる」と回答しています。みんなで食べるニーズを満たすことは介護する側と介護される側、双方に大きなメリットがあると言えます。

介護食に関するアンケート

〇調査概要
■ 調査対象:30歳以上の男女。未既婚問わず、同居している身内に介助・介護が必要な人がいて、自身が介助・介護に関わっている方
■ 調査方法:インターネット調査
■ 調査期間:2022年5月23日~5月30日
■ 有効回答数:1,024

選ばれる介護食を開発するために

本シリーズでは、介護食における「おいしさニーズ」「エンジョイニーズ」、そして「みんなと食べるニーズ」を見てきました。介護する側とされる側、どちらの要望も満たすには、これの3つのニーズをきちんと満たす必要があります。とはいえ、ニーズを満たしつつ、技術的な課題もクリアする開発はなかなか難しいもの。本シリーズでご紹介したミヨシ油脂のレシピや製品が、開発の一助になれば幸いです。

ミヨシ油脂では、ほかにも介護食に関する情報を発信しています。ぜひご覧ください。

前の記事:これからの介護食 ②エンジョイニーズの実態&開発のヒント

①おいしさニーズの記事はこちら

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