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プラントベース食品企画開発の4つのポイント~プラントベース食品に関する消費者調査(1)~
性別(男女)・世代別の「認知度・イメージ」編

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2022年1月20日に弊社が公表した消費者調査『プラントベース食品に関する消費者調査を実施 消費者の40%が「味の改良に期待」〜認知度は70%超えるも味に課題 実食率の高い代替肉には辛口評価~』。
本記事は、この消費者調査を「認知度」「消費者イメージ」「実食体験」「期待すること」という切り口でさらに深掘りする連載です。
今回は、この「認知度」と「消費者イメージ」について、さらに性別・年代別で深掘りしてご紹介します。ぜひ商品の企画・開発にお役立てください。

調査概要

調査対象全国の20~79歳の消費者
回答者属性男性:女性=48.3:50.6(その他1.1)、未既婚問わず
調査方法インターネット調査
調査期間2021年11月15日~2021年11月17日
有効回答数2155

1.【全体の認知度】プラントベース食品の「認知度」は7割超

まずは、全体の認知度について見てみましょう。
『プラントベース食品を知っていますか?』という質問に対し、36.3%が「具体的に知っている(※)」と回答しました。「聞いたことがある(37.3%)」を含めると、プラントベース食品の認知度は70%を超えることが分かりました。

※「説明できるくらいに知っている(4.3%)」と「どのようなものかイメージできるくらいに知っている(32%)」の合計

プラントベース食品に関する調査

2.【性別】プラントベース食品の「認知度」は女性が高め

性別で認知度を見た場合、女性の方が比較的認知度が高いという結果になりました。
「具体的に知っている(説明できるくらいに知っている+どのようなものかイメージできるくらいに知っている)」が【男性31.6%・女性41.2%】。「聞いたことがある」(男性37.8%・女性36.8%)を含めても、【合計:男性69.4%・女性78.0%】という結果に。
つまり、プラントベース食品がどのようなものかを理解している状態でも、聞いたことがある程度の状態でも、どちらでも男女10ポイントほどの差をつけ、女性の方がプラントベース食品に対する認知度が高いといえそうです。
男性に比べ、女性の方が自分や誰かのために食材や食料品を選ぶ機会が多い分、食料品全般の知識が深く、プラントベース食品の認知も高くなったのではないかと考えられます。

プラントベース食品に関する調査

3. 【年代別】若年層は「知らない」割合が高い

年代別で見た場合、年代が下がれば下がるほど「知らない」割合が高くなることも分かりました。
『プラントベース』と聞くと新しい技術・新しい商品だという印象があり、流行に敏感な若年層の認知度が高いようなイメージがありますが、実際はそうではないようです。認知度の低い若い世代が手に取りやすいようなジャンルで「目新しさ」をキーに商品開発すると認知を広げやすいかもしれません。
一方で、年代が上がるほど、「知っている・聞いたことがある」の率も上がります。特に60代以上の高齢層は、「聞いたことがある」層の人が多く、健康面や栄養面などこの年代に特有の何らかの理由で『プラントベース』に興味を持っているのかもしれません。

プラントベース食品に関する調査

4.【性別×年代】20代・40代男性の認知度が低い

若年層ほど認知度が下がる、女性の方がプラントベース食品を「知っている・聞いたことがある」、この傾向は【性別×年代】の場合でも同様でした。
ここで特筆すべきは、20代・40代男性の認知度が最も低いことでしょう。
全体の「具体的に知っている(説明できるくらいに知っている+どのようなものかイメージできるくらいに知っている)」の割合は【36.3%】。
一方で、20代男性の「具体的に知っている」の割合が【26.1%】。40代男性は【24.4%】となり、どちらも全体から10ポイント前後の差をつけました。
20代男性は体作りへのニーズがあり、40代は健康が気になる年代でもあります。例えば、若い男性向けにはプラントベースでも体作りをサポートする高たんぱくな商品、中年男性向けには健康にフォーカスした商品など、年代に合わせてプラントベース食品の価値を訴求していくのが効果的でしょう。
さらに深掘りするために、続いて「消費者イメージ」をひもといてみましょう。

プラントベース食品に関する調査

5.【全体のイメージ】プラントベース食品の「消費者イメージ」は比較的ポジティブ

プラントベース食品についてのイメージについて10個の項目を提示し、「とてもそう思う」「ややそう思う」「どちらともいえない」「あまりそう思わない」「まったくそう思わない」の5段階で評価を求めました(複数回答)。

プラントベース食品に関する調査

●栄養・安全性・健康・環境配慮に関してポジティブなイメージが強い

栄養面、安全性、健康面、地球環境への配慮の観点で、比較的ポジティブなイメージを持たれていることが分かりました。評価の高かった項目は下記の通りです(「とてもそう思う」「ややそう思う」の回答を集計)。

  • 『栄養価が高そう』:51.3%
  • 『安心安全な原材料を使っている』:56.8%
  • 『健康に良さそう』:67.3%
  • 『地球環境にやさしそう』:53.2%

●「味」の評価は高くないが、ネガティブなイメージは2割程度

味のイメージに関しては、「おいしそう」「風味がよさそう」「食感がよさそう」「満足感がありそう」に対して「あまりそう思わない」・「まったくそう思わない」と回答したのはそれぞれ20%程度で、評価は高くないもののネガティブなイメージが強いわけではないことが分かりました。

●5割前後の消費者はプラントベース食品へのイメージが弱い

とはいえ、全ての回答を見ると「どちらともいえない」の回答が5割前後を占め、プラントベース食品に対するイメージの弱さがうかがえます。プラントベース食品の認知度を上げるだけでなく、特徴やメリットを消費者にアピールする必要性が感じられました。

6. アンケートから見えてきたプラントベース食品企画・開発の4つのポイントとは

上の『●栄養・安全性・健康・環境配慮に関してポジティブなイメージが強い』でご紹介した「栄養・安全性・健康・地球環境への配慮」という4つの切り口が、今後のプラントベース食品の企画・開発のヒントになりそうです。
この具体的な4つのニーズと、性別・年代別の認知度の違いを、今後開発する商品のコンセプトやマーケティングに生かすことで、まだプラントベース食品になじみが薄い層への認知を広げていけるのではないでしょうか。

その中でも「栄養・安全性・健康」という3つのポイントは、自分や誰かのための商品を選ぶ際の大きな動機になりえます。
健康をコンセプトにする食品はもちろん、カロリーや栄養素に配慮が必要な人のための「食事療法」、多様化する「食の価値観・信条」への対応、食べられる食材やその安全性に厳密な「アレルギー対応」「フリーフロム(※)」、または「美容」などの文脈でも、まだまだ新たなプラントベース食品のニーズがありそうですね。

※フリーフロム(Free From)とは、グルテンフリーやミートフリーなど「●●フリー」と明示されていることや、その食品・料理のこと。

一方で、「地球環境への配慮」という点では、SDGsと絡めた商品コンセプトの訴求が必要です。また、食品以外(パッケージやリサイクルなど)の点でもこのテーマを意識する必要があるでしょう。
個人の価値観が商品の選択に大きく関連するテーマになるため、5でご紹介した「プラントベース食品についてのイメージを教えてください」の『地球環境にやさしそう』の項目を深く掘りさげることで、さらなる企画・開発するヒントが得られるのではないでしょうか(次回実施予定なので、ぜひそちらをご参考ください)。
世界全体が共有する地球環境に対する危機意識の高まりを受け、日本でも企業や地方自治体、大学などでSDGsの達成に向けた積極的な取り組みが始まっており、今後は日本でも消費者の環境意識は高まることが予想されます。多くの企業でも、経営やブランディング・マーケティングを考えるにあたってSDGsを無視できないと認識し始めています。このテーマは今後の食品開発における注目ポイントのひとつだといえるでしょう。

次回は、「プラントベース食品のイメージ」についてさらに掘りさげます。ぜひご覧ください。

プラントベース食品の企画開発に関するご相談を承っております

より詳しい調査結果や関連商品情報、カタログやサンプルなどをご提供可能です。いつでもお気軽にお問い合わせください。

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