ベーキングスタジオは、
これからの製パン・製菓に役立つ
情報とレシピを発信する場です。

ミヨシトレンド研究所 流通ジャーナリストが解説!コンビニのチルドスイーツを徹底分析

  • 印刷する


 コンビニエンスストア(以下コンビニ)に数ある取扱商品の中でも、チルドスイーツはSNSやテレビなどで話題になることが多く、各メーカーは開発に力を入れています。それだけに競争は激しく、新商品の投入や既存商品のリニューアルが頻繁に行われています。次にどんな商品を投入すべきかお悩みのメーカー担当者も多いはず。

 そこで今回は、コンビニ業界の動向を長年ウォッチしている流通ジャーナリストの阿部牧人氏がコンビニのチルドスイーツ売り場の特徴や商品トレンドを詳しく解説。また、大手コンビニの実購買データをもとに、いまどのような商品がなぜ売れているのかを分析します。

 さらに、その内容をもとにミヨシトレンド研究所がこれからコンビニのチルド棚で“売れるスイーツ”を、詳しいレシピとともに提案します。ぜひ今後の商品の企画や開発の参考にしていただけると幸いです。





流通ジャーナリスト 阿部牧人(あべまきと)
東京都出身、明治大学国際日本学部卒。大学卒業後、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン入社、その後インド、中国、インドネシアにて現地コンビニチェーンのコンサルティング業務に従事。また、インドでは現地コンビニの立ち上げにもあたり、商品部門を担当。帰国後2022年より株式会社SARAHにて勤務。「月刊コンビニ(休刊中)」「月刊販売革新」などに執筆。



メーカー・ショップの
開発担当者さまへ

あなたもすぐにつくれる・売れる!
ここだけの限定レシピを無料配布中

 コロナ禍においては消費者を取り巻く環境変化は激しく、それに対して小売り業は品ぞろえの変化やその他の施策によって、消費者ニーズの変化に対応をしていった。コンビニはマスクに代表される生活雑貨の品ぞろえの拡充や「(地域名)フェア」の施策を取り入れるなど、より消費者に多様な価値を提供する業態に進化していると言えるだろう。

 そういった意味では今回取り上げる「チルドスイーツ」については、コロナ禍でコンビニにおいて存在感の増したカテゴリーの1つである。洋菓子専門店、特に個人経営の店舗が営業自粛などを強いられたこともあり、コンビニにおけるチルドスイーツの立ち位置がより消費者に近づいた、言い換えれば、これまで以上に購入の障壁が低くなった。本レポートにおいてはチルドスイーツ売り場の現状を解説することはもちろん、今後の方向性についても言及していく。

 チルドスイーツの売り場を例に取って言及するが、コンビニの売り場の商品構成は大きく3つに分けられる。まずは「シュークリーム」や「プリン」、和菓子で言えば「どら焼き」など、どのチェーンの売り場に必ずあるような、いわゆる「定番商品」が1つ目に挙げられる。次に季節性のある果物や素材を使った、または直近の流行を反映した「新規商品」があり、最後にこれらとは別に商品棚に陳列される、ある意味売り場のボリューム感を維持するための「品ぞろえ商品」の3つである。コンビニにおいては、消費者のニーズに応える上で、この3つがうまく機能することが必須であり、それぞれの役割を理解した上で、魅力的な売り場を構築する必要がある。

 品ぞろえについて3つにカテゴライズしたが、その中でも「魅力的な売り場作り」のために重要になるのが「新規商品」である。上の図で示しているように発注される数量的に売り場において存在感があるのは「定番商品」であり、売り上げの根幹であることは間違いない。しかしながら、「売り場の個性」、また店舗の「独自性」「差別化」を図るのであれば、「新規商品」への取り組みに注視すべきだろう。毎週偏りはあれど、3〜5種類ほど発売される新規商品はプラスαの売上となるだけでなく、売り場のビジュアルにも変化を与える。衝動買いが多いコンビニ業態では来店客に興味を持たせる売り場作りは必須であり、その要素となるのが「新規商品」なのだ。

 では現在の「新規商品」に必要な要素はどのようなものだろうか。

①背徳感

 大手コンビニエンスストア3社(セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート)の実購買データを集計できるフェリカネットワークス株式会社のIDレシートデータの集計結果によると、各チェーンにおいて「クリーム」を印象的に使用している商品のランクインが見られる。定番の「シュークリーム」はもちろん、「クリーム」をたっぷり使ったカップタイプのシフォンケーキなど、「クリーム」を主役にした商品が消費者の心に刺さっているように見える。

 では「クリーム」を使った商品のランクインが増えたことにはどのような理由があるのだろうか。その背景にはコロナによる消費者を取り巻く環境、また心理状態の変化があったと考えている。コロナ発生直後は感染症への見えない恐怖から「健康志向」が高まった。しかし、時の経過とともに、ワクチン接種が進みながらも活動が制限される中で、消費者のマインドは「自粛」だけでなく、ため込んだストレスを「発散」するシーンを探すようになってきた。国が主導した「全国旅行支援」に多くの利用者がいたことからも読み取れるはずだ。もとより日常のストレスの「発散」として購入されるケースも多いコンビニチルドスイーツにおいては、コロナ禍において、より「背徳感」を感じさせるような商品が求められるようになったと言える。

 今回注目している「クリーム」だが、セブン-イレブンの商品を筆頭にコンビニのチルドスイーツとしては高額な部類に入る200円以上する商品の要素にも多く、チルドスイーツ全体の売り上げのアドオンになっていることが認められる。これは消費者マインドを捉えた商品設計であれば、消費者がその価値を理解しやすく、また付加価値として認識し、購入することの裏返しとも言えるだろう。2022年〜2023年にかけては「背徳感」という消費者マインドを反映した商品が多く発売された。2023年に関しては、消費行動の制限も撤廃される中でどのような消費者マインドに着眼すべきかを考えることで、ニーズを捉えた商品の開発につなげられるはずだ。

↓記事の続きはこちらの画像をクリックしダウンロードしてください↓

コンビニで次に売れるチルドスイーツはこれだ!

 阿部氏の解説と分析結果を踏まえて、ミヨシトレンド研究所では新たにチルドスイーツのレシピを開発しました。ダウンロードは無料!そのままでも、アレンジしてもOK!お気軽にご活用ください。

おすすめ記事

これからの製パン・製菓に役立つ情報とレシピ

BAKING STUDIO 記事一覧
MIYOSHI MIRAI PLATFORM

FOODS

  • NEXT FOOD LAB
  • BAKING STUDIO

CHEMICALS

  • エポフロック