ミヨシトレンド研究所
レシートデータでコンビニ商品を徹底分析
「ファミマ・ザ・クリームパン」

今月の注目商品

「 ファミマ・ザ・クリームパン 」
※ミヨシ油脂製品の採用品ではありません
【価格】119円（税込128円）
【販売店舗】ファミリーマート
【販売日】2022年3月22日
【発売地域】全国
※沖縄県では仕様と価格が異なる

あまりの人気に品切れが続出し、各メディアでも話題になった商品。IDレシートデータの集計結果によると、発売開始の2022年3月22日から2022年6月30日まで、購入ユーザー数・個数で男女ともに1位を獲得した。

決して珍しくない、むしろ昔からよく見かけるどこでも手軽に買える類のパンでありながら、なぜいまここまでの大ヒット商品となったのか。その理由を探った。

どんなパン？

ファミリーマートが創立40周年を迎えた2021年から取り組んでいる5つのキーワード。その一つである「もっと美味しく」の一環として発売した、オリジナルパンブランド「FAMIMA BAKERY（ファミマ ベーカリー）」の商品。

特徴は「風味豊かなカスタードクリーム」と「ふんわり食感とほのかな甘みのパン生地」。定番の商品だからこそ、長く愛される商品となるよう試作を繰り返しながら開発をしたという同社の自信作だ。

同シリーズには、2021年に先行して発売した「ファミマ・ザ・メロンパン」「ファミマ・ザ・カレーパン」があり、いずれも人気の定番商品となっているが、「ファミマ・ザ・クリームパン」は発売から2か月を待たずに1,000万個を突破。それらを上回る大ヒット商品となっている。

男性からの人気が特に高い

データ出典：フェリカネットワークス株式会社　IDレシートデータ

本データの元となっているIDレシート全ユーザー約3万人の構成比率は男性31％、女性69％。それに対し、ファミマ・ザ・クリームパン購入者の男女比率は男性43％、女性57％と、男性の比率が高かった。なお、ファミリーマートの菓子パン全体では男性36%、女性64％とIDレシート全ユーザーの構成比率と大きく変わらない。このことから、ファミマ・ザ・クリームパンは特に男性から支持を得ているのがわかる。

高評価でリピーターも多い

データ出典：フェリカネットワークス株式会社　IDレシートデータ

約3か月の集計期間ながら23％のユーザーが2回以上購入。最も購入したユーザーは3か月で29個も購入していた。このことから、単に目新しさだけではなく商品自体も高い評価を得ていると言える。

なお、男女別では、男性の方が2回以上購入している人が多く、特に購入回数が多いほど男性の割合が高かった。

シリーズでの展開もヒットの理由に

IDレシートデータの集計結果から、「ファミマ・ザ・クリームパン」は「ファミマ・ザ・メロンパン」「ファミマ・ザ・カレーパン」といったFAMIMA BAKERYシリーズの他の商品との同時併売率が高いこともわかった。

また、「ファミマ・ザ・クリームパン」発売後に、先行して発売されていた「ファミマ・ザ・メロンパン」「ファミマ・ザ・カレーパン」の購買数順位も上昇していた。ユーザーからシリーズで認識されており、相乗効果が得られていると言えそうだ。

なお、2022年6月21日にはシリーズ初のスイーツ「ファミマ・ザ・クレープ」を発売。こちらも売れ行きは好調だ。

クリーム入りが男性人気の秘訣

データ出典：フェリカネットワークス株式会社　IDレシートデータ

「ファミマ・ザ・メロンパン」購入者のユーザー比率は男性 33％、女性 67％だったのに対し、同じメロンパンでも「ホイップメロンパン」は男性41％、女性 59％と、男性の比率が高いという結果を発見。「ファミマ・ザ・クリームパン」の男性人気が高いことからも、クリームが使用されている商品を男性が積極的に購入していると言える。

商品開発や販売促進の際、つい「甘いパンは女性向け」と考えがちだが、男性のニーズもしっかり把握したい。一般的に男性は商品の購入や飲食店の利用におけるリピート率が女性よりも高いと言われている。男性からの支持を得る商品を開発することが、息の長いヒット商品を生む秘訣とも言えそうだ。

店頭調査＆実食調査でわかった！

もちろん、データを分析するだけでは売れる商品を開発できない。ミヨシトレンド研究所の所員たちが実際に現場を調査。さらに実食して感じたリアルな声を紹介する。

店頭で気づいたポイント

発売開始から1週間後に立ち寄ったところ、棚一段分の空きスペースがあり、販売好評で品薄を知らせるPOPも。購買意欲を掻き立てられた。

「FAMIMA BAKERY（ファミマ ベーカリー）」のシリーズを並べて販売しており、自然と目に留まりやすかった。特別感・安心感のようなものもあった。

実際に食べてみた感想

生地に色や味がしっかりついている。ブリオッシュのようでおいしい。原材料に発酵種（パネトーネ種）・発酵風味液が使用されており、香りがしっかりとした

卵黄や生クリームを配合しているという生地は黄色く色づいており、持っただけでもやわらかさを感じられた。クリームの中にバニラビーンズが入っているのもいい

まちのパン屋さんで売られているパンのよう。生地のしっとり感とクリームの食感が合っている

パッケージに”王道カスタード”と書いてあると、カスタード好きとしては惹かれる。食べたときの味や食感だけでなく、持った時や香りをかいだ時など、五感でおいしいパンだった

ファミマ・ザ・クリームパンの研究報告

シリーズとして販売することでインパクト、話題性があった。目新しい味や見た目のパンをつくるのではなく、あえて多くの人に長年愛されてきた定番のパンを選んでいるのも大きなポイント。コロナ渦で先行きの見えない不安やストレスが多い生活の中で「できれば失敗したくない」「これは外れなくおいしいだろう」という、菓子パンに求める消費者の心理をうまくとらえた商品だ。

素材を厳選するなど、定番商品の魅力を底上げしているため、消費者に飽きられにくく、リピーターにつながりやすいのも本商品の大きな魅力といえる。

今回のオススメレシピはこちら！

以上の分析結果を踏まえて、ミヨシトレンド研究所では新たにパンのレシピを開発しました。ダウンロードは無料！そのままでも、アレンジしてもOK！会社やお店でお気軽にご活用ください。

オルタナッティクリームパン

小麦粉の20％を食感改良風味素材「オルタナッティ」に置き換え、菓子のようなさっくりとした食感にしています。一味ちがうクリームパンです。

くわしいレシピはこちら

ブリオッシュ風クリームパン

牛乳・卵・油脂をたっぷりと使用したブリオッシュ風のクリームパンです。バターの香りとほんのり黄色い生地で、いつものクリームパンよりリッチな味わいです。

くわしいレシピはこちら