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食品開発担当者のお悩みを徹底サポート
テストマーケティングで得る新たな視点
~働くママ・パパに役立つプラントベース食品開発とテストマーケティング~

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油脂の力を生かしたものづくりを続けて100年以上。ミヨシ油脂は食用加工油脂の生産量、国内トップクラスを誇る技術力で、食品開発に課題を持つ皆さまのお悩みをサポートいたします。

今回は、東京ガスコミュニケーションズと共同で取り組んだ、働くママ・パパに役立つプラントベース食品開発とテストマーケティングの詳細についてご紹介します。

1.消費者から生の声を聞くテストマーケティング

第1章では、食品開発者の皆さまのプラントベース食品開発の悩みを紹介しましたが、その中で大きな課題として挙げられていたのが「製品開発力の強化」「調査・マーケティング力の強化」でした。

「製品開発力の強化」の点では、ミヨシ油脂の技術力を通して、風味や食感改良などのサポートが可能です。しかし、せっかくおいしいプラントベース食品を開発したとしても、それが消費者のニーズにマッチしているのかどうか知る術がないというのが、多くの開発者の方の悩みでした。
そこでミヨシ油脂は、プロトタイプの製品を直接、消費者の方にご試食いただき、生の声を聞く「テストマーケティング」の場を提供したいと考えました。

今回、協業した東京ガスコミュニケーションズは、東京ガスグループのコミュニケーション業務を担っており、「エネルギー」「食」「住」におけるプロモーションを強みとしています。特に「食」に関しては、100年以上も続く料理教室を運営しており、「SDGs×食」をテーマに食の社会課題解決に貢献するキュレーションサイト「weeeat!」では、さまざまなコンテンツを提供してきました。

かしわきゃんぱすこころ保育園

東京ガスコミュニケーションズがテストマーケティングの場としてアレンジしてくださったのは、千葉県柏市にある、つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス」駅からほど近い、「かしわきゃんぱすこころ保育園」です。子育て世代のママ・パパの困りごとを解決するために、プラントベース食品で何かお役に立てないかを考える機会をいただけました。

2.働くママ・パパ世代が抱える困りごととは

働くママ・パパは、仕事も子育ても一生懸命。毎日、時間に追われています。弊社で2022年9月に実施した「普段の食事の実態調査」で、お悩みを聞いたところ、平日の夕食をどうするかに困っているという答えが圧倒的に多くありました。食事を作る手間だけではなく、献立を考えることが大変だというのです。そのため、食事がマンネリ化してしまうことにもお悩みのようでした。また、栄養バランスにも気を使いたいというご要望もありました。忙しい毎日の中で、そこまで意識した献立を考え続けることは、非常に難しいでしょう。また、特にとりたい栄養素を聞いたところ、食物繊維やタンパク質などといった答えが多くありました。

本当に仕事に疲れて食事を作るのが難しい日は、スーパーのお総菜を選ぶこともあるかもしれません。ただ、お総菜はメニューが偏り、選択肢も少ないのが現状です。そこで私たちは、お総菜以外の選択肢の一つとして、プラントベース食品の献立を提案できるのではないか、という仮説を立てました。

3.働くママ・パパのお役に立つプラントベース食品を開発

今回、開発したプラントベース食品は次の3種です。こちらをセットにして、ご家族にお渡しします。

 ◆プラントベースラザニア
 ◆お野菜のデリ3種
  ▪紫キャベツのザワークラウト
  ▪ニンジンラぺ
  ▪カリフラワーのオーブン焼き
 ◆プラントベースバナナマフィン

プラントベース食品

平日仕事に家事に追われているママ・パパのお悩みを解決したいという思いから、平日の夜ご飯を用意する時間を省略できるように、単品ではなく献立としてメニューを開発しました。そして、家庭では作りづらいメニューにすることで、ちょっとした非日常を演出し、マンネリの解消につながればと考えました。

プラントベースラザニアには、「botanova 植物のおいしさ 牛脂風味」と大豆ミートを使用し、肉のうま味を表現することに成功しました。
プラントベースバナナマフィンには「botanova 植物のおいしさ バター風味」を使用。小麦粉・動物性原料を使っていないのにふんわりしっとりした、濃厚でコクのあるマフィンに仕上げました。
野菜のデリは彩りと、ちょっと大人向けの味付けにこだわることで、特別感を演出します。

私たちは、今回開発したプラントベース食品の企画を「RETREAT FRIDYAY(リトリートフライデー)」と名付けました。「いつもの家事を少しお休みして、金曜日の夜だけでも本来の自分たちらしい時間を楽しんでほしい」という思いを込めています。
パッケージには、環境に配慮したイメージを持ってもらうため、ナチュラルな色使いでカラフルな演出を施しました。「彩り」「香り」「華やかさ」でスーパーのお総菜と差別化を狙います。

プラントベース食品

4.実際にプラントベース食品を食べていただいたママ・パパの感想は?

今回のテストマーケティングにご協力いただいた「かしわきゃんぱすこころ保育園」は、つくばエクスプレスで秋葉原駅から約30分の「柏の葉キャンパス」駅近くにあります。このエリアは、大学などの研究機関やベンチャー企業が集積し、スマートシティを目指した先端的な取り組みで注目を集めています。緑も多く、交通の便もいいことから、子育て世代にも人気の街です。
保育園の3~5歳児クラスのご家庭30世帯に、プラントベースキットをお渡しし、アンケートにお答えいただきました。

〈調査概要〉
調査対象:3~5歳児クラスのご家庭 30世帯
調査方法:Webアンケート
調査期間:2023年02月17日~2023年2月24日(サービス提供後に実施)
有効回答数:28回答(回答率93%)

私たちが事前に仮説として立てていた、「献立を考える手間が省けた」「いつもとは違うメニューを楽しめた」という部分での満足度はそれぞれ78.6%53.6%という高い結果が出ました。

今回のプラントベース食品で魅力に感じた点を聞いたところ、「栄養バランスが良い」「健康的である」という回答が多くありました。今回は彩りにも力を入れて開発したからか、「彩りの良さ」に高評価が集まりました。

また、味・メニュー以外では「マンネリを解消できた」「無理なく環境問題に貢献できる」なども回答が多く、私たちが伝えたいコンセプトを受け止めていただけたと感じました。

プラントベース食品アンケート

プラントベース食品のイメージが変わった点について聞いたところ、味に関しては、まだまだ厳しい評価もあったものの、「おいしくないと思っていたが意外とおいしかった」という声を多くいただきました。また、家庭では取り入れにくいと思っていたが、「意外と手軽に取り入れられると感じた」「大豆ミートの使い方が分からなかったが、調理イメージが湧いた」という回答もあり、きっかけさえあれば、プラントベース食品を普段の生活に取り入れるハードルは下がるように感じました。

プラントベース食品アンケート

また、提供量や容器の希望も伺ったところ、量の調整がしやすいからか、「一人前ずつ」の提供を希望する方が多かったです。そして、そのまま電子レンジで加熱できる容器がダントツの人気でした。使い勝手が良く、便利であることは大切な要素になるでしょう。メニューについては、「主菜、副菜、デザートから好きなものを選びたい」という方が多く、食事一式ではなく、献立の中の一つのメニューとして捉えるニーズが高かったのも印象的でした。

もともとプラントベース食品の認知度は低く、今回の取り組みで初めて知ったという方が半数以上いらっしゃいました。ところが、リトリートフライデーを実施した結果、プラントベース食品を日常に「積極的に取り入れたい」と答えた方はいませんでしたが、「たまには取り入れたい」と答えた方が71.4%と多く、期待の高さが伺えました。
実際に実食の機会を作ることで、プラントベース食品の潜在ニーズを発掘できるかもしれません。

プラントベース食品アンケート

今回の働くママ・パパ向けに実施したアンケート結果で分かったのは、健康的なイメージを訴求することの重要性です。ママ・パパは、「栄養バランスの良い食事を用意」したいにも関わらず、それがおろそかになりがちな点に悩みを抱えていました。

また、より子どもにフォーカスした味付けの食品もニーズ高いと感じました。子どもがおなかがすいたと言った時に、電子レンジですぐ温めて出せて、しかも健康にも良いとなれば、ママ・パパも安心して提供できるのではないでしょうか。現状、そうしたシチュエーションで出せる冷凍食品は、ホットスナック類やスイーツ系が多いのが現状かもしれません。

そして、ママ・パパの大きな悩みは、献立を考える大変さです。「今日の夜ご飯は何を作ればいいのだろう」と考えた時に、ふと思い浮かぶような選択肢の一つとして、普段のマンネリ化を解消するようなメニューが提供できれば、子育て世代の家庭にとって大きな助けになるでしょう。

5.ミヨシ油脂だからこそできる、食品開発「テストマーケティング」

今回の「家事支援×プラントベース」のテストマーケティングの事例は、いかがでしたでしょうか。まずは、小さいスケールで試して実際の消費者の意見を引き出し、それを製品のクオリティや魅せ方のブラッシュアップへとつなげられるという、大きなメリットがテストマーケティングにはあります。食品開発者の皆さまの課題であった「調査・マーケティング力の強化」に、ぜひ生かしていただきたいと思っています。

ミヨシ油脂では、消費者のニーズや課題を調査しながら、それを解決する製品開発のヒントを企業に提案しています。売れる商品を開発するためには「モノ」をより良くするだけでは難しい時代になってきました。その商品をどのように見せ、消費者にどのような「体験」を提供するのかまで企画する必要があるのです。

ミヨシ油脂は、消費者が価値を感じる「体験」「モノ」の提案と、消費者のインサイトを引き出す「調査」までトータルでサポートいたします。
ミヨシ油脂だからこそできる「食品開発テストマーケティング」にご興味をお持ちの方は、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

食品開発テストマーケティングについて詳しく知りたい方はご相談ください

ご要望に合わせて最適な技術サポート、テストマーケティング、調査をご提案いたします

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