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ベーカリー相談室
パンづくり

Q.ドーナツの二番生地がきれいに揚がりません。きれいに型抜きするコツは?

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◆ご相談内容

<海外でのドーナツショップ開店を準備中の方からのご相談>
ドーナツの成形について、一番生地で型抜きしたドーナツはきれいに揚がるのですが、二番生地はきれいに揚がりません。
丸めて10分ほどベンチタイムをとってから伸ばしていますが、うまく膨らみません。ドーナツ裏側も切り傷のようなダメージが多いです。
二番生地をきれいに型抜き成形するコツを教えていただきたいです。

◆シェフのご回答

ブーランジェリー
・フリアンド
谷口佳典
シェフ

生地がかたいと二番生地がまとまりません。だからと言って折り数を増やすと食感に引きが出てしまうため、難しい問題ですね。
当店では、「二番生地は所詮二番生地なので、なるべく一番生地を使おう」と考慮して、ドーナツの抜き方を工夫しています。1枚のドーナツ生地から、①リング型で抜いたドーナツ、②リング型で抜くと残るダイヤ(♢)形のドーナツ、③リング型で抜くと残るリングの真ん中部分のドーナツと、3種類のドーナツを作っています。

このように、二番生地が出ないように心がけているのですが、どうしても出てしまった場合は、延ばして翌日に使うか、新しい生地に練りこんでいます。オーバーナイトさせることで生地が休まるので筋が無くなります。(イースト使用かベーキングパウダー使用かにより、扱いが変わってしまいますが)。

ビーバーブレッド
割田健一
シェフ

昔アメリカでは、一番生地はリングドーナツ、二番生地はビスマルク(丸くてクリームが注入されているドーナツ)、三番生地はロング・ジョン(棒状のドーナツ)と種類を変えておりました。ロスの多いリング型は最初に作っていました。
生地の状態が変わるので上記のように種類を変えるのは当然なのですが、連続でリングドーナツを作り続けたい場合、私は1.5番生地を使う製法をお勧めしています。1.5番生地を使う製法とは、5kgの生地で想定した場合、まず1.5kgの生地1つと、残りの3.5kgを約750〜800gで4等分に分割します。1.5kgの生地でリングドーナツを抜きます。リング型で抜くと、約50%(この場合は約750g)の生地が残ります。この残った生地を、最初に4等分した生地で三つ折りをするやり方で包むことで、表面は一番生地のきれいな状態で抜けます。それを繰り返します。

これ以外だと、二番生地を新しい生地と一緒に混ぜる方法を取るところもあります。同日の生地だと、対新しい生地50%、前日の生地だと対新しい生地20%を目安に混ぜています。前日の生地の場合は冷蔵保管です。

森のベーカリー&カフェ
西山重明
シェフ

パンを二番生地のドーナツは、一番生地のドーナツと異なるのが一般的だと思います。
生地へのダメージを最小限にとどめるような製法や、二番生地自体を、新しい生地のミキシング時に古生地(老麺的なもの)として混ぜるほうが良いかもしれません。
どうしても二番生地だけで使いたいのであれば、生地に改良剤の使用などを検討してみてはどうかと思います。

パン焼き小屋Zopf
伊原靖友
シェフ

当店は型抜きではなく、棒状に延した生地をリング成形してドーナツを作っているので、一般的なことしか言えませんが……。ダメージがかかっている二番生地がつながりにくいのは当然なので、なるべく二番生地を出さないような抜き方をし、新たな一番生地を練る時に老麺や中種のように練り込む方法が多いと思います。
個人的には、二番生地だとボリュームが出にくくなるので、一番生地の型抜きの際、四角にしたらどうかと考えてしまいます。当店だと型抜きの丸形やリング形は二番生地がたくさん出てもったいないので、あまり作らないようにしています。デニッシュでも、丸形はいくつかありますが、基本的には三角形や四角形というきっちり切れる形で作ります。ドーナツは火通りを考えると、真ん中に穴が開いていた方が良いと思うかもしれませんが。最近はやりのもちもち食感のドーナツだとあまり火を入れないので、真ん中の穴がふさがるぐらいの成形をすることも多いです。それでも二番生地でしっかりと型抜きをしたいと思ったら、一番生地の発酵を若めに取って抜くことも考えられますが、どちらにしても作業時間がかかってしまいますね。
一番生地と二番生地で同じ品質の製品にはならないので、違う製品にするのが得策と思います。例えば、二番生地を丸め直して、あんドーナツにするとか。特にイーストドーナツの場合は発酵を伴うので、型抜きで二回目まできれいにというのは難しいです。二番生地をきれいに膨らませる方法を考えるより、形の工夫をする方が商売的には良いと思っています。

ブーランジュリー
・オーヴェルニュ
井上克哉
シェフ

当店では、ドーナツの二番生地は次のドーナツ生地の仕込みの際に練り込んでいます。
もしすぐに使うとしたら、今のままだとベンチタイムが短いです。
できるだけ力を加えず、最小限に生地を重ねて延ばして、1〜2時間は休ませた方が良いです。

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