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油脂と健康~油脂は体にいいの?~
よくわかる油脂のはなし【第 3 章】

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コラム「よくわかる油脂のはなし」シリーズでは、100年以上油脂の力を生かしたものづくりを続けてきたミヨシ油脂が、全4回にわたって油脂についてわかりやすく解説します。ぜひ商品の開発や企画にお役立てください。

前回は油脂の由来や加工法をご紹介しました。最終回は、消費者が特に気になるであろう、油脂と健康について解説します。油は体に悪いというイメージを持っている方も少なくないかと思いますが、実際はどうなのでしょうか。

1.効率の良いエネルギー源

油脂は、いまや私たちの食生活で欠かせないものとなっています。では、そもそもなぜ私たちは油脂を摂取するのでしょうか。

私たち人間は、生きるために必要なエネルギーを脂質、糖質、タンパク質から得ています。これらをエネルギーの単位である「カロリー」で比べると、脂質は1gあたり9kcal。一方、糖質とタンパク質は1gあたり4kcalです。

脂質のカロリー

つまり同じ量を摂取した場合、脂質のほうが糖質やタンパク質と比べて2倍以上もエネルギーを得られるということ。言い換えれば糖質やタンパク質に比べて、脂質は少量で多くのエネルギーを摂取できることになります。

また、脂質は糖質やタンパク質に比べて消化に時間がかかるため、脂質の多い食べ物は腹持ちがよいという特長もあります。

※「油脂」は「脂質」の一種(詳しくは第1章参照)。

2.体内で生成できない必須脂肪酸の供給源

油脂を構成する物質である「脂肪酸」詳しくは第1章参照)。そのなかには、動物の成長、発育に欠かせない重要な栄養素となるものがあります。人間をはじめとする哺乳類はこれらの栄養素を体内ではつくれないため、食べ物から摂取する必要があり、「必須脂肪酸」とも呼ばれています。

脂肪酸の種類

なお、脂肪酸は構造の違いにより「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」に分類され、不飽和脂肪酸には「一価不飽和脂肪酸」「多価不飽和脂肪酸」が存在します。このうち、人間の健康に欠かせない必須脂肪酸は多価不飽和脂肪酸に含まれ、多価不飽和脂肪酸はさらに「オメガ3(n-3系)」「オメガ6(n-6系)」に分けられます。

● 必須脂肪酸のオメガ3(n-3系)

オメガ3(n-3系)に分類される必須脂肪酸には、「α-リノレン酸」「EPA(エイコサペンタエン酸)」「DHA(ドコサヘキサエン酸)」が挙げられます。EPAとDHAは主に青魚の油脂に含まれており、ほかの食用油脂にはほとんど含まれません。

オメガ3(n-3系)は「脳や神経に対する効果」や「血流を改善する効果」「生活習慣病を予防する効果」があることで知られています。一般の食用油脂に多く含まれており、通常の食事で十分に摂取できますが、食が細い人や栄養バランスが偏り気味の人は不足しがちになることも。オメガ3(n-3系)が欠乏すると、成長障害や皮膚炎、皮膚の弾力・バリアー機能低下が起こることも報告されているので、意識して取り入れるとよいでしょう。

ただし、α-リノレン酸やEPA、DHAなどの多価不飽和脂肪酸は安定性が低く、熱や空気、光などの影響で酸化しやすいという欠点があります。それらをカバーするのが、これからご紹介するミヨシ油脂の粉末油脂。安定性が高く扱いやすいのが特長です。

● 必須脂肪酸のオメガ6(n-6系)

オメガ6(n-6系)に分類される必須脂肪酸には、「リノール酸」「アラキドン酸」「γ-リノレン酸」が挙げられます。

オメガ6(n-6系)は、「アレルギー症状を緩和する効果」や「コレステロール値を下げる効果」「生活習慣病の予防・改善効果」があります。ただし、とり過ぎると体に悪影響を与える場合もあるので注意しましょう。とくにオメガ3とオメガ6はバランス良く摂取することが大切です。

3.オメガ3のα-リノレン酸を効率的にとるには

「アマニ油」は、アマ科植物の種子からとった植物性健康オイルのこと。必須脂肪酸のオメガ3である「α-リノレン酸」が含まれています。

α-リノレン酸は、細胞や組織を形成する成分であるとともに、人間の成長や正常な生理機能を維持するうえで欠くことのできないもの。また、体内で代謝され、一部がDHAやEPAとなるため、積極的にとるべき油と言えます。

含まれる脂肪酸のうち、約60%がα-リノレン酸と、ほかの食用油脂に比べて含有量が多いのもアマニ油の特長。効率的にα-リノレン酸を摂取できます。

アマニ油とは

● α-リノレン酸のオススメ
「ミヨシ亜麻仁油パウダー(1×6)」

アマニ油を配合した水溶性の粉末油脂。
製品1gあたりα-リノレン酸(オメガ3脂肪酸)を250mg以上含有しています。粉末状で計量や取り扱いが簡単。粉体同士の混合も可能。飲料や菓子など、さまざまな食品に使用できます。

ミヨシ亜麻仁油パウダー

4.オメガ3のEPAやDHAを効率的にとるには

EPAとDHAは魚油、とくにイワシなど青魚の油に多く含まれています。体によいイメージがある方も多いのではないでしょうか。実際に多くの調査や試験で、心筋梗塞や脳梗塞の予防・治療に効果があると証明されています。


● DHA・EPAのオススメ
「オメガヴィーパウダー100(1×6)」

製品1gあたりDHA・EPA(オメガ3脂肪酸)を100mg以上含有した水溶性の粉末油脂。粉末状で計量や取り扱いが簡単。粉体同士の混合も可能です。独自の技術により魚油特有の異臭を低く抑えます。飲料やパン、菓子、サプリメントやペットフードなどの食品に使用できます。

オメガヴィーパウダー100

5.まとめ

今回は、油脂と健康についてご紹介しました。最後に内容を振り返ってみましょう。

・油脂は効率の良いエネルギー源。体内で生成できない必須脂肪酸も補える

・必須脂肪酸のなかでも、オメガ3は重要。アマニ油や魚油はオメガ3を摂取できる。

・アマニ油や魚油の油脂を粉末化した「ミヨシ亜麻仁油パウダー」「オメガヴィーパウダー100」は、水溶性で安定性も良いので、さまざまな食品とともに手軽に摂取できる。

6.私たちの身の回りにある油脂

全4回にわたり、油脂に関する基礎知識をご紹介しました。私たちの生活に欠かせない油脂にはいろいろな種類があり、それぞれに特徴も異なります。目的や用途に合わせて使用することで、油脂は食の可能性を広げることができます。この連載で、油脂について理解が深まった、考えが変わった、油脂ってすごい!と思っていただけたら幸いです。

ミヨシ油脂では、今後も油脂に関する情報を発信していきます。ぜひご覧ください。

プロローグの記事はこちら

第1章の記事はこちら

前回の記事はこちら

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