この記事のキーワード:エシカル消費、SDGs、アップサイクル、プラントベース
「エシカル消費」と食品業界
「エシカル消費」とは、「地域の活性化や雇用などを含む、 人・社会・地域・環境に配慮した消費行動」のことです。「SDGs(持続可能な開発目標)」とも関係が深く、17のゴールのうち特にゴール12「つくる責任 つかう責任」に関連する取り組みです(※1)。それでは、食品業界は、エシカル消費の観点から見ると、どのような状況にあるのでしょうか。
国連環境計画(UNEP)によると、2022年には世界で10.5億トンの食料が廃棄され、このうち約60.0%は家庭から、約27.6%は外食から、約12.5%は小売りから出ていると推計されています(※2)。本来食べられるが家庭から廃棄されている食品を「食品ロス」といい、骨など食べられない部分を含めたものを「食品廃棄物」と呼びます。食品廃棄物から排出される温室効果ガスは、世界全体の温室効果ガス排出量の約1割を占めています(※2)。
地球温暖化などの気候変動が発生している中で、人類が廃棄する食品の量を鑑みると、消費者は人・社会・地域・環境に配慮した、倫理的・道徳的な消費を心がけ、生産されたにも関わらず廃棄される食品ロスの削減に努める必要があります。さらに、こうした意味での倫理的消費を広めるための教育も重要です。そしてもちろん、消費者だけでなく、食品を生産する側からのアプローチの推進も欠かせません。
食品廃棄量削減を意識した食品メーカーの工夫は、食品パッケージやラベルなどでよく見られます。最近ではウェブサイトでも資料や関連情報を発信するなど、各メーカーは積極的に情報を発信しています。
食品のパッケージやラベルにてエシカルを訴求した新商品数の推移を見てみましょう。下記のグラフは、2004年から2023年までの20年間で発売された食品のうち、パッケージでエシカルを訴求している新商品の数の推移を表したものです。2023年に日本で新発売された食品のうち、エシカルを訴求している商品は全体の40.2%を占めており、その伸長は著しいものです。

では、食品でのエシカル訴求の内容には、どのようなものがあり、どのように推移しているのでしょうか。下記のグラフは、2019年から2023年までに発売されたエシカル訴求をする日本の食品について、その内容をまとめたものです。「環境にやさしいパッケージ」「持続可能な生息地/資源」が群を抜いて多く、しかも2019年から2023年の5年間で継続して増加しています。

エシカル訴求をアピールしている食品は、どのカテゴリーに多いのでしょうか。日本の食品におけるエシカルを訴求する商品の割合は、下記のグラフの通り、「ベーカリー」・「スナック」カテゴリーが著しく伸長しています。

環境問題への関わりが問題視されている食品業界でも、食品メーカーによる工夫は広まっており、今後もエシカルを訴求する商品は増えていくことが予想できます。
実際に消費者はエシカルな食品を求めている
ここまで、日本の食品市場における、エシカルを訴求する新商品の継続した増加、またそのエシカル訴求の内容や食品カテゴリーについて見てきました。
では実際に、消費者はエシカルな食品を求めているのでしょうか。ミヨシ油脂独自の調査によると、日本の消費者は、その37.6%が「購入する際、SDGsに沿った食品であることを考慮する」としており、加えて、本来であれば廃棄されるものを活用し加工した食品、つまりアップサイクルフードについて、26.0%が「捨てられるものを活用する商品ストーリーが魅力的」と考えています(※3)。このように、消費者はエシカルな食品を求めているといえます。
エシカルな食品にはさまざまありますが、ここでは積極的にエシカルにアプローチし、消費者に向けアピールできる食品分野の事例を2種、ご紹介します。
1. アップサイクルフード
「食の廃棄問題」というと、外食やスーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの流通、一般家庭といった、身近なところから出る廃棄物が注目されがちです。しかし実際には、食品の廃棄は、生産から流通、消費までの長いサプライチェーン全体で発生しています。
この問題を解決するためには、生産効率の向上や生産方法、流通の改善などさまざまな方法が考えられますが、その中でも最近、特に注目を集めているのが「アップサイクルフード」です。食品におけるアップサイクルとは、保管の難しさから消費できず廃棄される食品など、廃棄予定の食品に対しフードテックを活用し新たな付加価値を持つ商品とする取り組みを指します(※4)。
日本でも、SDGsへの貢献を目指し、まだおいしく食べられるにも関わらず流通過程のさまざまな規格の問題で廃棄されるフルーツなどを活用して、パンや飲料の原料にするアップサイクルフードが広がっています。このような活動は食品廃棄を減らすだけでなく、地産地消を促進し、消費者がなぜこの商品を買うのか、考えるきっかけにもなっています。
2. プラントベースフード
健康意識の高まりやサステナビリティへの関心が高まる中、「プラントベース」という概念は広がりを見せています。日本でも、海外に続いて大豆ミートなどの開発が急速に進んでおり、世界ではさらに、プラントベースのシーフードや、大豆以外の豆、ジャックフルーツ、海藻、キノコの菌糸体を培養したマイコプロテインなど、さまざまな原料を使ったプラントベースフードの開発が進んでいます。
植物性原料を使って動物性食品を再現している商品には、すでに多くの人々に受け入れられているものもあります。しかし、一般的にはまだ「プラントベースフードは親しみにくい」という印象を持つ消費者が多いのが現状です。そこで最近では、「プラントベースであること」の意義を強調し、動物への倫理的配慮を訴求した商品や、植物性原料ならではの新しい味わいを提案する商品が増えています。
さらに、従来の食品に新たな価値を見出すアプローチも有効です。例えば、味噌汁や豆腐、がんもどきといった食品は、日本人にとって昔から馴染みのあるプラントベースの自然な選択肢です。代替肉のように豆腐を別の形に変えるよりも、豆腐そのものの魅力を引き出して新しい楽しみ方を提案するほうが、消費者の興味を引きやすく、より身近に感じてもらえる可能性があります。
でもやっぱり、消費者はおいしさを重視
ここまで、エシカルな消費の必要性やエシカルを訴求した食品の増加、消費者からのエシカル食品に対するニーズを確認してきました。また、エシカル消費に積極的なアプローチを実践できる食品分野を紹介しました。
企業がエシカル食品に取り組む一方で、消費者が実際に加工食品を選択する際、価格以上の価値を感じる商品にはどのような特徴があるのでしょうか。下記のグラフをご覧ください。ミヨシ油脂独自の消費者調査によると、消費者が自分のために加工食品を購入するとき、価格以上の価値を感じる商品の最大の特徴は「おいしそう」であることがわかっています(※5)。これは消費者の選択基準において、味覚的な魅力が特に重要な例であるといえるでしょう。

これからのエシカル訴求におすすめの製品
エシカルな食品は消費者に求められるポイントではありますが、「おいしさ」も備えた商品でなければ、消費者は選ばないのが実情です。そこで、ミヨシ油脂から、人・社会・地域・環境に配慮した、倫理的・道徳的な消費「エシカル消費」に沿いつつ、「おいしさ」も付与できる油脂を紹介します。
1. エシカル消費に沿いつつ、おいしさも付与できる『botanova』シリーズ
ミヨシ油脂では、動物性原料を使わず、“動物性油脂の特長を活かしたおいしさ”を創り出す食用油脂ブランド『botanova』シリーズをご用意しております。ラインアップは、「バター風味」「ラード風味」「牛脂風味」の3種類です。味に厚みがあり素材との相性が良いラード風味と、炙り感とインパクトのある風味をもつ牛脂風味を組み合わせるなど、ブレンド使いで風味のアレンジも可能です。
いずれもNPO法人ベジプロジェクトジャパンの定める基準を満たしており、ヴィーガン認証マークが付与されています。また、持続可能なパーム油の生産に貢献している、RSPO(マスバランス)認証製品です。
人・社会・地域・環境に配慮した、倫理的・道徳的な消費「エシカル消費」に沿いつつ、さらに「おいしさ」も付与できる『botanova』シリーズについて、詳細は下記ボタンよりご覧ください。カタログのダウンロードやサンプルのご請求も可能です。
2. おいしさ長持ちで食品ロスの削減に寄与する『粉末油脂』
ミヨシ油脂の粉末油脂は、おいしさを満たしつつ、それを長期間持続できる機能を持たせることで、賞味期限・消費期限の延長に寄与できます。
人・社会・地域・環境に配慮した、倫理的・道徳的な消費「エシカル消費」に沿いつつ、さらに「おいしさ」も付与できる粉末油脂について、詳細は下記ボタンよりご覧ください。
《参考文献》
※1:消費者庁, “エシカル消費とは”, 消費者庁, https://www.ethical.caa.go.jp/ethical-consumption.html,(参照 2026-09-01)
※2:United Nations Environment Programme, “Food Waste Index Report 2024. Think Eat Save: Tracking Progress to Halve Global Food Waste”, UN Environment Programme, 2024.03, https://wedocs.unep.org/items /dbe2cd4c-8384-4636-8359-5847f42b9711, (参照 2026-09-01)
※3:ミヨシ油脂実施アンケート調査 「アップサイクルフードに関する意識調査」より
調査時期:2023年11月, 有効回答数:1400, 調査手法:インターネット調査, 対象者条件:15~79歳男女(5段階での選択肢のうち「考慮したい」「やや考慮したい」の合算)
※4:東京都環境局, ” フードテックを活用した食のアップサイクル促進事業(令和4年度)”, 東京都, https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/resource/recycle/tokyo_torikumi/allfoodtech/upcycle/,(参照 2026-09-01)
※5:ミヨシ油脂実施アンケート調査 「食に関するパフォーマンス重視調査」より
調査時期:2023年11月, 有効回答数:1400, 調査手法:インターネット調査, 対象者条件:15~79歳男女、普段、加工食品を3カ月に1回以上購入する方(関係業種除外), 調査対象の加工食品:パン、菓子(スイーツ・スナック)、総菜(チルド・冷凍食品)、飲料(清涼飲料水、乳飲料)












