洗浄用途や冷却用途など、事業活動には日々たくさんの水が使用されます。しかし、水は限りある貴重な資源。汚染された水はきちんと排水処理を行い、安全な水にして放流する必要があります。未来の世代に引き継いでいくためにも、いまあらためて、排水処理について考えていきましょう。
私たちが生きていくうえで欠かせない“水”
地球の表面は3分の2が水で覆われています。しかし、その大部分は海水で淡水はわずか2.5%程度。しかもそのほとんどは氷や氷河として存在していて、河川や湖沼など、人が利用しやすい状態で存在する水は約0.01%しかないと言われています。
その貴重な水について、世界ではいま、さまざまな問題が起きています。例えば人口の増加。人口の減少が加速している日本ではあまりピンとこないかもしれませんが、世界の人口は増え続けており、総人口は2022年現在、約79億5,400万人なのに対し、2050年には約97億3,000万人にもなると予測されています。もちろんその分、水の使用量も増えるというわけです。
ほかにも、気候変動などさまざまな要因により水の希少性は年々高まっており、水の所有権や水質汚濁(上流地域での汚染物質排出)などを巡って、世界各地では水紛争も起きています。日本は国土が隣国と接していないため、水紛争になじみがありませんが、今後ますます水が貴重な資源となっていくことに変わりはありません。
私たちの生活を支える水のサイクル
日本では年間、生活用水として約150億m3 、工業用水として約106億m3 、農業用水として 約535億m3の水を使用しています(2018年の取水量ベース、出典:「水資源の利用状況」国土交通省)。これらの主な水源は川の水で、使用した水は再び川や海に戻しています。さらにその水が大気中に蒸発し、雲をつくって雨を降らせて川へ……というサイクルです。
このサイクルの中で、使用した水を不純物や有害物を取り除かずにそのまま川や海に流してしまうと、汚染につながることはもちろん、環境や人体に悪影響を及ぼします。実際日本では、過去に排水を媒体として水銀やカドミウムなどが魚や米に蓄積され、それらを食べた人々に大きな被害をもたらした公害が発生しました。
今あらためて考える、排水処理の重要性
つまり、事業活動にともない排水が生じる事業者には大きな責任がともないます。不純物や有害物質などが含まれた排水をきちんと確認し、法律で定められた基準に合うよう浄化処理を行い(理想を言えば基準よりもさらにきれいにし)、自然環境への負荷をできるだけ少なくして放流する必要があるわけです。
具体的には、まず「環境基本法」や「水質汚濁防止法」といった法令への順守が不可欠です。水質汚濁防止法の一般排水基準は下記の通り。このように有害物質の種類とそれぞれの許容限度が細かく規定されています。ほかにも各都道府県が、条例により法で定める排水基準よりもさらに厳しい基準を定めているケースもあります。
(出典)水質汚濁防止法により定められる排水基準「一般排水基準」の有害物質
排水処理が必要な事業者の大きな味方「エポフロック」
では、実際にどうすれば工場などから発生するさまざまな排水を処理し、きれいな水にして川や海に送り出せるのか。そこで活躍するのがミヨシ油脂の重金属捕集剤「エポフロック」です。薬剤を添加するだけで重金属、特にニッケルや銅、亜鉛などを除去できる製品。既存の処理設備で使用可能で、難しい重金属排水処理にも対応しています。また、スラッジ(汚泥)の発生量が少なく、焼却や埋め立て処分にかかる費用を大幅に削減できるなど、ほかにはない多くの特長を備えています。
前述の通り、排水処理関連には多くの法令があるほか、その最適な処理方法もさまざまです。万が一、不適切な排水処理によって環境汚染の加害者になってしまったら、金銭的損失だけでなく社会的なイメージダウンなど企業がかぶる損害は計り知れません。安心して事業を継続していくためにもまずは重金属排水処理のプロフェッショナルであるミヨシ油脂に相談してみてはいかがでしょうか。
ミヨシ油脂が目指す未来
近年はSDGs(持続可能な開発目標)の周知が進み、規模の大小に関わらず多くの企業が課題解決への取り組みを行っていますが、ここでも水は大きなテーマとなっています。
目標 6. すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
6.1 :2030 年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ平等なアクセスを達成する。
6.2 :2030 年までに、すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性及び女子、ならびに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を向ける。
6.3 :2030 年までに、汚染の減少、投棄廃絶と有害な化学物質や物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模での大幅な増加させることにより、水質を改善する。
6.4 :2030 年までに、全セクターにおいて水の利用効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。
6.5 :2030 年までに、国境を越えた適切な協力を含む、あらゆるレベルでの統合水資源管理を実施する。
6.6 :2020 年までに、山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼などの水に関連する生態系の保護・回復を行う。
6.a: 2030 年までに、集水、海水淡水化、水の効率的利用、排水処理、リサイクル・再利用技術など、開発途上国における水と衛生分野での活動や計画を対象とした国際協力と 能力構築支援を拡大する。
6.b :水と衛生に関わる分野の管理向上への地域コミュニティの参加を支援・強化する。
出典:各種参考資料「持続可能な開発のための2030アジェンダ(仮訳)」外務省
ミヨシ油脂では、「エポフロック」をはじめとした重金属排水処理技術・製品を日本のみならず全世界に展開することで、グローバルな観点でクリーンな地球環境へ貢献していきたいと考えています。