【開発品】化粧品用途の新規イオン液体
当社では親水性で安全性の高いイオン液体の開発を行っています。浸透促進効果やキューティクル補修効果などを有しており、傷んだ髪を髪本来の姿へ近づけられます。また、保水性が高く、難水溶性成分の高濃度溶解が可能なのでスキンケア用途でも新たな価値を提供できます。その他、退色防止効果やヒートプロテクト効果などさまざまな特徴を持ったユニークな材料です。
特徴
◆キューティクル補修
◆浸透促進・退色防止効果
◆良好な使用感
◆高い保水性能
◆その他
・ヒートプロテクト効果
・皮膚への浸透コントロール
・難水溶性成分の可溶化
・抗菌性
・安全性
◆キューティクル補修
【試験方法】
ブリーチ処理を5回行った損傷毛髪をイオン液体1%配合50%エタノール溶液に浸漬(しんせき)します。流水ですすぎ乾燥後、毛髪表面を走査電子顕微鏡(SEM)にて観察しました。

- 損傷毛髪で見られたキューティクルの剥がれが、イオン液体処理を施すことでなくなっており、健常な状態に戻っています。
- キューティクルが整うことで水分蒸散を防げ、うるおいがキープされます。
◆浸透促進・退色防止効果
【試験方法】
ブリーチ処理を5回行った損傷白髪を染料0.3%、イオン液体1%配合50%エタノール水溶液に15分浸漬(しんせき)します。流水ですすぎ乾燥後、毛髪断面を光学顕微鏡にて観察しました。

- 染料のみでは表面にのみ付着しており、一般的な浸透促進剤を加えるとキューティクル層まで浸透しています。イオン液体を加えると毛髪内部まで浸透している様子が観察できます。
- 有効成分を同時に加えることで効率よく毛髪内部から補修が可能となります。
- 染毛剤にイオン液体を配合することで色落ちを軽減できます。
◆良好な使用感
アウトバス製品のヘアミルク、ヘアオイルにおいてイオン液体配合処方を組めます。

- イオン液体にキューティクルをしっかりと補修する効果があるため、パサつき抑制や指通りの良さにつながります。また、毛髪内水分が蒸散しにくくなることで「しっとり感」も向上します。
- 意図的に静電気を発生させた際に、イオン液体配合ヘアミルクを塗布した毛髪ではひろがりが抑えられます。
◆高い保水性能
【試験方法】
各サンプル80%水溶液を調製します。室温で静置し、経過時間ごとの水分量を測定します。

- 保湿剤としてひろく使用されるヒアルロン酸とグリセリンと比較して、イオン液体の保水力が高いことが分かります。
- 不揮発性であることから皮膚、毛髪に付着して長時間にわたり保湿効果を発揮できます。
◆その他
●ヒートプロテクト効果
【試験方法】
白髪に水もしくはイオン液体水溶液を吹きかけ、180℃のヘアアイロンを3分間あて、着色具合を目視で確認します。

- 熱をかけることで白髪が変色してしまいますが、イオン液体を配合することで着色を抑えられます。
- ヘアアイロンやドライヤーなどからの熱ダメージを軽減できます。
- 熱を加える施術(酸熱トリートメントなど)の際、毛髪への負荷を軽減でき、より効果を発揮しやすくなります。
●皮膚への浸透コントロール

- イオン液体(IL)未添加と比較するとイオン液体を加えることで有効成分の浸透を遅くできます。
- イオン液体は不揮発性であるため塗布部位にて長時間にわたり徐々に有効成分を浸透させることが可能となります。
●難水溶性成分の可溶化
- 難水溶性の有効成分を高濃度で溶かせるので、製剤化の際より効果を発揮する処方にできます。
- これまで溶解性の面で配合できなかった成分も処方に組み込め、新たなカテゴリーの製品を生み出すことが可能となります。
●抗菌性
- 組み合わせにより抗菌効果を発揮するイオン液体もあります。
- 不揮発性なので持続的に抗菌効果を発揮できます。
- その他抗菌剤を溶解させ、効果を増幅できます。
●安全性
- 医薬部外品原料規格(外原規)原料のみを使用しているため、安全性は高いです。
- 今回ご紹介のイオン液体についてもパッチテストで異常がないことを確認済みです。

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