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「botanova」の採用事例とレシピを
発信する場です。

おいしさのカギを握る香味油

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「botanova 植物のおいしさ ラード風味」「botanova 植物のおいしさ 牛脂風味」の2つの製品のおいしさの秘密をご紹介します。なぜ大豆臭のマスキングが実現できているのか、また今後の代替肉市場をどのように考えているのかなど、開発者にインタビューしました。

植物由来の素材だけで作られたプラントベース油脂「botanova」(ボタノバ)。

botanova 植物のおいしさ ラード風味」と「botanova 植物のおいしさ 牛脂風味」は大豆ミートに添加することで、プラントベースなのに、動物性油脂のようなコクやうまみを出すことができます。こだわったのは、炒めた風味や肉を炙ったような香ばしさなど、調理感を再現すること。さらには、大豆ミートの青臭さをマスキングすることで、より本物の肉のような味わいを目指しました。

食品本部技術開発ID部:魚住圭佑

これらの製品の開発にはどのような苦労があったのでしょうか。今回は「botanova 植物のおいしさ ラード風味」と「botanova 植物のおいしさ 牛脂風味」の二つの製品の開発について、食品本部技術開発ID部の魚住圭佑研究員に話を聞きました。

おいしさのカギを握る「香味油」(こうみゆ)とは

最近では、大豆ミート製品もいろいろな場所で購入できるようになりました。一部の飲食店では、大豆ミートハンバーグがメニューに入っていることも珍しくありません。しかし、それを食べてみると、やはりどこか大豆の青臭さなど、本物の肉とは異なる風味を感じたことはないでしょうか。

そんな課題を、ミヨシ油脂が長年培った油脂加工技術で解決しようと開発したのが、「botanova 植物のおいしさ ラード風味」(以下、ラード風味)と「botanova 植物のおいしさ 牛脂風味」(以下、牛脂風味)です。

この二つの製品のおいしさのカギを握るのは「香味油」(こうみゆ)。香味油とは、食用油に香りのある素材を加えて加熱し、香味を移したものです。代表的なものとしては、ラー油やネギ油などがあります。

「一つの素材を香り付けした油は多いのですが、いろいろな香味野菜をブレンドして、動物性油脂の風味を出そうという取り組みは、なかなかないと思います」と魚住研究員は言います。

油脂を使うことで風味の持続性が増す

大豆ミートをより本物の肉に近づけるアプローチとしては、いろいろな方法が考えられますが、油脂を使って風味を出すメリットを魚住研究員は次のように語ります。

「油脂を使うことで風味の持続性を増すことができます。調味料だけだと、最初に強い味を出せるのですが、咀嚼してうちに大豆の青臭さが出てきてしまうのです。そこに、油脂による持続性の高い風味が残れば、最後まで肉らしさを感じることができます。ここにbotanovaの一番の特徴があるのです」

しかし、植物性の原料だけで動物性油脂のうまみを連想できるような油脂をどのように作っていったのでしょうか。今回目指したのは、調理し完成した料理の風味を出すということでした。

「香味油であればそれが可能になります。油に香りを移す際に、香味素材を加熱するという調理と同じような工程があるのがその理由です。パスタを作る際も、ニンニクを先に油でよく炒めてから絡めると、一体感が増しておいしくなりますよね」と魚住研究員は説明します。

つまり、「ラード風味」であれば、油脂そのものを本物のラードに近づけようとするのではなく、最終的な料理にどのような風味づけをするかを想定して設計していきました。そもそも大豆ミートは、肉の風味と異なります。そこに、本物のラードを混ぜても何か物足りなさを感じました。「お客様はラードが欲しいわけではなく、ラードを使った時の風味が欲しいわけですから」と魚住研究員。

自由度の高さがbotanovaの強み

ラード風味」は、多くの素材との相性がよくなるように作られています。素材の味を引き立てつつ、香味野菜の旨味がほのかに感じられるため、惣菜系や中華系の料理によく合います。

また、「牛脂風味」は、焼き肉のような炙り感やスモーキーな香りを出せるのが特徴です。また、牛肉を煮込んだときに感じる深みのある香りも含んでいるので、ビーフシチューやミートソースのような煮込み料理にも適しており、どちらにも合うように想定して風味を設計しています。

さらには、「ラード風味」と「牛脂風味」をブレンドすることで独自の風味を出すことも可能です。こういった自由度の高さが、botanovaの強みと言えるでしょう。

大豆臭のマスキング効果は、複雑な香りをもつ油脂だからこそ

多くのお客様からご評価いただいているのが、大豆臭のマスキング効果です。官能評価でも大豆臭が大幅に減少していることが見て取れます。

「香気成分がどのように大豆臭のマスキングに効いているのか、というのはまだ正直なところ分かっていません。おそらく、香味油の複雑な香気成分に加え、油脂からアプローチすることによる風味の持続性が寄与しているのだと考えています。風味の持続性は、冒頭で話した香味油そのものの性質に加え、『おいしさの秘密その一 ミヨシ油脂が考えるおいしさとは』でも開発担当者の富田が話をしていますが、油脂物性によっても大きく影響します。液状の油ではなく、固体脂にした理由はここにあります」

料理を食べた時に、ラードや牛脂を使ったときのような風味を感じてもらうために、素材検討など開発には膨大な時間を必要としました。しかも、調理後の風味を確認するためには実際に調理してみるしかありません。大豆ハンバーグを作っては味見をするという作業を何度も繰り返したそうです。

「データを取って数値化していくことも大切なのですが、やはり人の味覚や嗅覚に勝るものはありません。最終的には、開発者の舌や鼻で判断していきました」と魚住研究員は言います。

おいしい代替肉をbotanovaで実現

こうした開発を経て、「ラード風味」は2020年9月に、「牛脂風味」は2021年12月に発売しました。今では、採用事例も増えてきており、「ラード風味」はプラントベースの餃子や焼売などに、「牛脂風味」は大豆ミートのミンチなどに実際に使っていただいています。展示会では「botanovaを検討している」という声も多くいただくようになり、認知度が高まってきていると感じています。

最近では、日本でも代替肉が注目を集めてきていますが、代替肉は将来的にどのような存在になっていくのでしょうか。

魚住研究員は次のように語ります。「国連の調査では、2030年には地球の人口が85億人にも達すると言われています(注1)。畜産は環境負荷も高いため、持続可能な食料供給を可能にするためにも、代替肉への関心は世界的にも高まっています(注2)。将来、おいしく食べられる代替肉は、多くの人にとって当たり前の選択肢となっているかもしれません」

まだまだ大豆ミートは、肉と比べるとコストが高いのが現実です。

「ただ、将来的には逆転する可能性もあり、代替肉市場はこれからもさらに盛り上がっていくと考えています」と魚住研究員。

botanovaは安心してお使いいただけるプラントベース油脂です。ぜひ多くのお客様にその魅力を体験していただきたいです。

お問い合わせ・ご相談

当サイトに掲載のレシピ・記事・サンプル・製品に関するご相談など、お気軽にお問合せください。共同開発をご希望の皆さまからのご連絡もお待ちしています。

参考サイト
(注1)国際連合広報センター:人口と開発
(注2)2-1.EU ”Farm to Fork Strategy”:虫等の代替タンパク質の振興技術を重要視 、2020年
2-2.米コンサルティング会社AT Karney “When consumers go vegan, how much meat will be left on the table for agribusiness?”2025年〜2040年、代替肉の成長率を年9%と予想

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